

拳の三訓「守・破・離」──学びにおける上達の段階
武道で重視される「守・破・離」は、学びを深めるための上達の段階を示しています。
ここでは、その本質を整理してお伝えします。
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■ 学びの原点は「まねる」こと
「学ぶ」という言葉は、「まねぶ(真似る)」が語源と言われています。
人は本能以外のほとんどを、学びを重ねることで身につけていきます。
そして、学びをやめた瞬間に成長が止まってしまいます。
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■ 守・破・離の3段階
1. 守──基本を忠実に習得する
まずは師の教えを正しく守り、形を徹底的に習得する段階です。
自己流に走らず、正しい「格」に到達することを目指します。
2. 破──基本を踏まえて工夫する
基本が十分に身についた人だけが進める段階です。
技の目的である「法」を外さない範囲で、自分の特性を加えながら工夫していきます。
3. 離──自分独自の型を確立する
最後は創造の段階です。
師の域を超え、自分だけの「格」を作り上げていきます。
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■ 共通して求められる二つの基準
•技の目的に適していること(法)
•正しい形から逸脱しないこと(格)
「離」の段階であっても、この二つを守ることが欠かせません。
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■ 書道に見る“守・破・離”
•楷書=守(基礎を忠実に書く)
•行書=破(基礎を踏まえた上で崩す)
•草書=離(自由に書くが、法に基づいている)
草書は大きく崩れて見えても、楷書の法が根本にあるため、正しい字として成り立ちます。
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■ 成長が止まる最大の要因は「こだわりすぎ」
技には無数の道があり、人によって最適な形は異なります。
「これしかない」と考えてしまうと、成長の幅が狭くなってしまいます。
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■ 目的と意味を理解して取り組む
すべての動作には「目的」と「意味」があります。
これらを理解せずに練習を続けても成果は上がりにくくなります。
意味を意識することで、苦手な部分を効率的に修正できます。
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■ 無理と無駄を徹底して取り除く
動作を細かく見直し、無駄な力や動きを取り除いていくことが重要です。
目指すのは 最小の力で最大の効果を生む技 です。
これが「技の効率」を高めるということです。
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■ まとめ
•守:基本を忠実に学ぶ
•破:基本を踏まえて工夫する
•離:自分の型を生み出す
「守・破・離」は、武道だけでなく、スポーツ、仕事、学問など、あらゆる学びに活かせる指針です。
目的を理解し、無駄を省きながら、自分自身の技と道を磨いていきましょう。