

「乳酸=疲労物質」というイメージは過去の話です。最新の研究では、乳酸は単なる疲労物質ではなく、エネルギー源やシグナル分子として筋肉や代謝に役立つ可能性があるとわかってきています。
高強度トレーニングで乳酸が増えるのは、しっかり筋肉が働いているサインのひとつです。乳酸は疲労の主原因ではなく、心臓や筋肉などで再利用される重要な役割も持っています。
この記事では、
•エネルギー代謝のしくみ
•筋線維の特徴
•乳酸と筋トレの正しい関係
を、科学の知見をもとにシンプルに解説します。
⸻
1. 食べ物は筋肉のエネルギー源
食べ物の役割は大きく3つです。
•エネルギーになるもの:糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質
•身体をつくるもの:タンパク質、ミネラル
•体の調子を整えるもの:ビタミン、食物繊維
運動中は糖と脂肪の両方がエネルギー源になります。特に高強度運動では糖の利用が増え、その過程で乳酸が生まれます。
⸻
2. 筋肉の種類と乳酸の関係
筋肉は主に2種類の筋線維でできています。
•遅筋(Slow / 赤筋)
•ミトコンドリアが多く酸素を使ったエネルギー産生が得意
•持久力が高い
•乳酸をエネルギーとして利用可能
•速筋(Fast / 白筋)
•太く瞬発力に優れる
•乳酸を作りやすい
•加齢で減少しやすく、トレーニングで刺激することが重要
⸻
3. 糖と脂肪のエネルギーの使い分け
•高強度運動 → 糖がメイン
•低〜中強度運動 → 脂肪の利用が増える
糖が不足すると脂肪も効率よく燃えません。乳酸は糖が使われているサインのひとつです。「今、筋肉がしっかり働いている」ことを示す指標とも言えます。
⸻
4. 乳酸は疲労の主原因ではない
筋肉の疲労にはさまざまな要因があります。
•神経系の疲労
•エネルギー不足
•酸化ストレス
•H⁺イオンの蓄積による一時的な酸性化
乳酸はむしろ他の細胞で再利用される有益な物質です。
⸻
5. 乳酸は筋肉成長のサインの可能性
乳酸には、筋肉に対して成長を促すシグナルとして作用する可能性があります。
1.成長スイッチのサポート
•一部研究では、乳酸が筋肉の成長経路(mTOR経路)を刺激する可能性が示唆されています。
2.成長ホルモンの分泌を助ける可能性
•運動に伴う乳酸上昇は、ホルモンの分泌変化と関連することがあります。
3.エネルギーとして再利用
•心臓や脳など他の細胞の燃料になることが知られています。
4.筋肉に刺激を与える
•代謝ストレスを高めることで、筋肥大を促す一因になる可能性があります。
注意:乳酸が出る=必ず筋肉が増える、というわけではありません。トレーニング効果は、強度・栄養・休息など複数の要素に左右されます。
⸻
まとめ:乳酸は“成長のサインのひとつ”
•乳酸は疲労の主原因ではない
•乳酸はエネルギーとして使われる
•乳酸は筋肥大を助ける可能性がある
•高強度トレーニングで乳酸が出る=筋肉が働いている証拠のひとつ
乳酸を正しく理解すれば、筋トレ効果の理解やモチベーションに役立ちます。