

伸張刺激を最大限に活かす “ヒップヒンジ/股関節特化” トレーニング
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■ RDLとは?
Romanian Deadlift(ルーマニアンデッドリフト/RDL)は、
ハムストリングス・大臀筋・腰背部・上背部を中心に強化する股関節主導のヒップヒンジ種目です。
名前の由来は、世界的なルーマニア人ウエイトリフター
Nicu Vlad(ニク・ブラッド) がこの動作を実践していたことです。
RDLはデッドリフトと異なり、立位(ハングポジション)からバーベルを下ろすエキセントリック局面で動作が始まる点が特徴です。
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■ ヒップヒンジとは?
RDLはヒップヒンジ動作を行います。
•股関節を主導に体を前後に折り曲げる
•膝は軽く曲げて固定
•腰は丸めずニュートラルを維持
•ハムストリングス・大臀筋を主動筋として使う
「RDLは股関節を軸に体を折り曲げるヒップヒンジ動作です。膝は軽く曲げて固定し、腰は丸めずにニュートラルを維持することで、ハムストリングスと大臀筋を効率的に使えます。」
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■ ハングポジションとは?
バーベルを握り、
•膝と股関節を伸展
•背すじを伸ばして胸を張る
•肩甲骨を安定させる(軽く下制・内転)
この姿勢が RDLのスタート/ゴール です。
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■ RDLとデッドリフトの違い
① 膝の角度がほとんど変わらない
•膝は 軽度屈曲(約10〜20°) に固定
•大腿四頭筋 → 等尺性で膝角度を保持
•ハムストリング+大臀筋 → 股関節伸展の主動筋
② エキセントリック局面からスタート
•バーベルを上から下ろす → ハムストリングスに強い伸張刺激
•SSC(ストレッチ–ショートニングサイクル、Stretch–Shortening Cycle)の感覚を体感可能
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■ SSC(ストレッチ–ショートニングサイクル)とは?
SSC(ストレッチ–ショートニングサイクル、Stretch–Shortening Cycle)
筋肉が一度伸びてから縮むことで、短時間で大きな力を出しやすくなる現象です。
例:ジャンプ
1.しゃがむ → ハムストリングや大臀筋が伸びる
2.すぐ踏み切る → 筋肉が縮む
RDLとの関係
•バーベルを下ろす → 筋肉が伸びる
•引き上げる → 筋肉が縮む
→ 筋肉の伸縮を効率的に活かして力を出す感覚を鍛えやすい
⚠️ RDLはジャンプではなく、SSCの感覚練習として有効です。
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■ RDLの実施ポイント(安全・効果的)
1.ラックのピン位置
•ハングポジションよりやや低め
2.グリップ
•クリーングリップ(肩幅〜やや広め)、ラックに干渉しない距離
3.スタンス
•踵20〜30cm開き、つま先はやや外向き
•胸を張り、視線は正面
4.背中と膝
•背中は固定(腰椎ニュートラル)
•膝は軽度屈曲(10〜20°)を維持
5.下ろすときの意識
•お尻を後方へ引き、肩をバーベルより前に
•バーベルは脚に沿わせて下ろす
6.引き上げ
•背中を固定したままバーベルを脚に沿わせ、股関節伸展でハングポジションに戻る
7.全体の意識
•体重は踵
•膝は後方に引き、バーベルは脚から離さず、お尻も後ろへ
8.補助種目としての有効性
•デッドリフト・クリーンの引き出し強化
•ハムストリングの伸張耐性向上(損傷予防)
•股関節伸展力の向上
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⚠️ 注意すべき補足
1.重量設定
•フォームが崩れない範囲で段階的に増やす
•急に高重量を扱うと腰椎やハムストリング損傷リスクがある
2.個人差
•股関節可動域・柔軟性・既往症によってフォームや可動域を調整する
3.SSCの誤解防止
•「ジャンプ力が直接上がる」ではなく、筋肉の伸縮感覚・爆発的力発揮の感覚を鍛えやすい という意味
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■ まとめ
RDLは、
•膝角度がほぼ固定される股関節主導のヒップヒンジ
•ハムストリングス・大臀筋に強い伸張刺激が入る
•筋肉の伸縮(SSCの恩恵)を効率的に活かして力を出す感覚を鍛えやすい
正しいフォームで行うことで、筋力向上・スポーツパフォーマンス改善・傷害予防に貢献する優れた種目です。