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体が「むくむ」とは、どういうことなのか?

むくんだ体に健康と美容のためのリンパマッサージなどという表現をよく見聞きします。「むくみ」は一種の水ぶくれのようなもので、医学的には「浮腫」とよばれます。そのうち、何らかの原因によるリンパ管系の機能低下でリンパの流れが悪くなったり、停滞したりして起こるものを「リンパ浮腫」といいます。

手や足の傷から、あるいは風邪などの感染によって、腋の下や足の付け根、さらに顎の下や頚部などに「固くて丸みのあるもの」ができ、「リンパ腺が腫れた」(いわゆるリンパ節炎)などという表現を使うことがあります。「リンパ」がリンパ浮腫や病気の診断・治療と重要な関係があることに深く関心を持ちます。

『リンパは流れる』

血管系では、心臓というポンプの駆動によって血液が押し出され、体のすみずみで毛細血管網によって動脈と静脈が交流し、血液はとどまることなく循環し続けています。一方、同じ循環器系(脈管系)でも、リンパ管系の原流は組織液を吸収する毛細リンパ管です。リンパ管は集合してリンパ管網をつくり、一定方向に流れて集められたリンパは、最終的に太いリンパ管(胸管)が静脈に接続して血液に流入し、体液(水分)量を維持しています。

心臓というポンプを持たないリンパ管では、リンパの輸送はどのようにして行われているのか?体の位置(重力)や姿勢によって、リンパ管周囲の筋肉などの組織が動くことに伴って受動的な管壁の収縮が生じ、くねるような蠕動(ぜんどう)運動をしたり、弁の開閉によってリンパが行ったり来たりする振り子運動などによって運ばれます。

近年では、リンパ管の収縮は周囲の組織からの受動的な動きばかりでなく、リンパ管壁の自発的収縮によっても起こることがわかってきています。健常状態では、血流と比べて極めてゆっくりとではありますが、確実に流れています。

流れの途中には、リンパ管に入ってきたリンパの中の細菌などの異物をとらえる「関所」のようなリンパ節がたくさんあります。リンパ節内で種々の生体反応を起こしながらも、リンパはリンパ節を通り抜けて、やがて静脈に合流するまで流れ続けています。

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