『女性は男性よりも冷えが多く、年齢が高いほど頻度が高くなる』
冷え症に関連する苦痛はとても深刻な悩みです。体の末端や表面が冷えがちなのは、体温が下がるのを防ぐために、体の末端や表面の血管を収縮させ、毛穴も閉じて、放熱をできるだけ避けるためです。これによって、内臓などがある体の温度、「深部温度」の低下を防いでいます。
冬季、外気温が低下すると万人が四肢の冷えを自覚する。その自覚できる冷えは衣類でカバーできるので生理的な冷えといえます。ところが、病的な「冷え」は十分に暖かい環境でも起こります。
以下の場合、気になる症状として認められる。
「自律神経失調症の部分症状」
「精神的ストレス」
「身体的疲労の蓄積」
女性は骨盤内に子宮や卵巣などの、男性にはない臓器があり、腰や下半身への血流が滞りやすい。このように病的な冷えは自律神経機能の個人差や精神的ストレスによる症状としてみられるものがある。特に女性のほうが解剖学的、社会文化的な理由から骨盤血行が悪くなりやすく、身体表面から体温を失いやすいので、「冷え症」が相対的に多くなっていると考えられます。更年期世代の不定愁訴としても「冷え」は頻発する。
自律神経機能と冷え
自律神経は昼間の活動期は交感神経が優位であるため戦闘的ですが、ゆったりとくつろいだ気持ちになったときや、夜間は副交感神経が優位となるため末梢神経が拡張し、手足が暖かくなり、気分が落ち着き、自然に眠くなるのが普通です。しかし、自律神経失調症になると、このスイッチの切り替えが行われず、常にイライラしたり、動悸や顔面のほてり、不眠症、四肢末梢の冷えが出現する。